塗装に関する資格や許可書とは?
塗装に関する資格は数多くあります。塗装業界に携わっている人なら理解している人が多いと思いますが、一般の方には馴染みがないかもしれません。当記事では塗装に関する資格や許可書について解説していきます。
塗装業を行うための資格や許可書は実はない
塗装業を営業するために必要な資格や許可というものは実はありません。国で規制されているような業種・職種ではないため、実は誰でも塗装業を行うことは可能です。
しかし、塗装業に全く資格などがないわけではありません。塗装業においても国が認定する「国家資格」と民間の団体や公益法人が実施している「民間資格」は存在します。
塗装業の許可書・国家資格・民間資格の例
塗装業の許可書・国家資格・民間資格の具体例としては下記のようなものがあります。
塗装工事業許可
「5年以上の経営経験がある」「不正する恐れがない」などの条件を満たした業者が取得できる許可書です。施工金額が500万円以上の施工を請け負う場合は必要となります。認定は都道府県知事、国土交通大臣が行います。
一級塗装技能士
塗装に関する技術や知識を証明するための資格で、厚生労働大臣によって認定されます。塗装に関する知識や技術が高いことを証明する資格です。
二級塗装技能士
都道府県知事が認定する資格であり、塗装業2年の実務経験または職業訓練校に数年通うことで与えられます。
職業訓練指導員
職業訓練校で技能士を育成する講師になることができます。受講資格は、一級塗装技能士の資格保有または塗装業で15年の実務経験で与えられます。
有機溶剤作業主任者
塗装に必要な有機溶剤による、身体的な被害防止の指揮や監督を行う資格で、厚生労働省が認定しています。油性塗料はシンナーやラッカーを扱うため、労働安全衛生法により塗装業では必要と定められています。
特定化学物作業主任
厚生労働省によって認定される資格であり、健康被害を与える可能性が高い特定化学物質から労働者を守り、作業の指導ができる資格です。
高所作業車運転者
厚生労働省によって認定され、高所作業車を扱うことができる資格です。
一級施工管理技士・二級施工管理技士
施行過程において施工管理、工程管理、品質管理、安全管理に重点を置く資格で国土交通省が認定します。大規模工事には1級施工管理技士が必須となります。
乙4種危険物取扱者
都道府県知事が認定した国家資格で、ガソリンや灯油、軽油などの引火性液体を取り扱うことができる資格です。
石綿作業主任者
厚生労働省が認定する国家資格でアスベストを含む建材や塗膜を処理することができる資格があることを証明します。
外壁診断士
一般社団法人全国住宅外壁診断士協会が認定する資格で外壁が持つ性能やメンテナンス方法についての知識を習得したことを証明する資格です。
外壁アドバイザー
一般社団法人全国住宅外壁診断士協会が認定する資格で、外壁に用いる建材の種類、施工、リフォームに関する基本的な内容を取得したことを証明する資格です。
外壁劣化診断士
一般社団法人住宅保全推進協会で実施されている資格です。消費者にとって有益な報告、提案を行う知識と技量を有していることを証明します。
リウォール診断士
日本ペイントが発行し、日本ペイントの塗料「ダイヤモンドコート」の認定施工店のみに発行する資格です。
窯業サイディング塗替診断士
木造住宅塗装リフォーム協会が認定する窯業サイディングの製造方法や品質確保などに必要な知識と施工技術を有していることを証明する資格です。
職長・安全衛生責任者教育
一般社団法人東京技術協会が認定する職長または作業を指揮・監督する人が、安全や衛生について講習を受けたことを証明する資格です。
足場の組立て等作業主任者
一般社団法人労働技術講習協会が認定する高さ5m以上の足場の組み立て・解体が行えることを証明する資格です。
ゴンドラ取扱特別教育
一般社団法人労働技術講習協会が認定する高所で行われる清掃や塗装、組み立てなどの作業にゴンドラが使用できることを証明する資格です。
自由研削といし特別教育
一般社団法人労働技術講習協会が認定する電動サンダーのといし部分の取り扱いができることを証明する資格です。
マスチック仕上士・マスチック仕上性能管理
全国マスチック事業協同組合連合会が認定するマスチック工法などの技能者として認定される資格です。
カラーコーディネーター
東京商工会議所が主催する色に関する知識を習得したことを証明する資格です。
雨漏り診断士
NPO法人の雨漏り診断士協会が認定している雨漏りに関する知識を証明する資格です。
雨漏り鑑定士
一般社団法人雨漏り鑑定士協会が認定している雨漏りの鑑定方法について知識を有していることを証明する資格です。
塗装に関する資格や許可書とは?まとめ
以上が塗装に関する資格・許可書の解説です。様々な資格があるため、塗装業者を選ぶ際は資格だけではなく施工実績や顧客対応などを含めて総合的に判断するべきでしょう。